1.インドカシミール地方でのサッカー

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スポーツと国家、教育の関係についてちょこっと考えてみたいと思います。

最初に、今から100年以上前のスポーツについてのある出来事をひろって考えてみます。

 

1891年11月、インドカシミール地方、スリナガールのあるミッションスクールで、一つのサッカーの試合がキックオフされようとしていた。選手はすべて地元の若者たち。周囲にはたくさんの見物人たちが集まってきていた。これからなにが起きようとしているのか、彼らには見当もつかなかった。選手たちにとっても、見物人たちにとっても、サッカーなど初めての経験だったからである。フィールドは異様な雰囲気につつまれていた。手に手に棍棒を持った現地人教師たちが周囲を取り囲んでいたのである。人々の中心には一人の白人教師がいた。セシル・E・テインダル=ビスコー。前年に着任したばかりの若い教師だった。・・・

 

(現代スポーツ評論 創文企画 「筋肉の福音」より)

白人教師は青年たちにボールを蹴るように指示しますがだれも蹴りません。ヒンズー教では牛は神聖な生き物。ボールは牛の皮でできているのです。キックオフで最初に無理矢理蹴らされた少年は神聖な牛を穢したとしてこの後3ヶ月は帰宅が許されなかったそうです 牛革のボールを強制的に蹴らせたビスコーとはいったいどんな教師で、何のため現地の青年に無理矢理サッカーをさせたのでしょう?

スポーツと国家の関係、スポーツと教育の関係を考えるためにはまず19世紀後半にさかのぼって勉強する必要がありそうです。

 

 

2に続く・・・・